越中料理物語越中料理物語

ブリ料理(富山湾のブリ)ブリ料理(富山湾のブリ)

雷鳴とともにやって来る“富山湾の王者”

四季折々に豊かな海の幸に恵まれ“天然の生け簀”と呼ばれる富山湾。多種多様な魚介の中で、ブリは“王者”と讃えられます。

富山県では冬型の気圧配置が強まるころ、みぞれ混じりの寒風が吹いて海が荒れ、鉛色の空に雷鳴がとどろきます。この雷鳴こそブリが富山湾に現れる前触れであり、“ブリ起こし”と呼ばれます。

ブリは春に九州西方の暖かな海で産卵し、夏にかけて日本海を北上します。北海道周辺の海で豊富な餌を食べながら夏・秋を過ごし、晩秋に再び南下します。このときブリは産卵に備えて脂肪を蓄えており、最高に脂がのった状態で富山湾に入り込むのです。

富山の漁師たちはブリを待ち受けて、約400年前から定置網を仕掛けてきました。「氷見の寒ブリ」で知られる氷見漁港は、定置網漁発祥の地です。水揚げされたブリは、直ちに氷で満たした船倉に入れ"沖じめ"(仮死状態)にして鮮度を保ちます。進化し続ける定置網漁、沖じめ…漁師たちのたゆまぬ工夫と豊かな知恵が結集されていることも、富山のブリが格別である理由です。

富山湾

富山の暮らしに、人々の心に、深く根ざす

ブリは成長とともに名前が変わる出世魚です。富山では春に生まれた稚魚「モジャコ」が、夏に体長20cmほどの「コヅクラ」「ツバイソ」となり、秋に体長35〜40cmほどの「フクラギ」、翌年の冬に体長60cmほどの「ガンド」になり、さらに翌年(3年目)の冬、体長80cmを超え、体重10kg前後になって初めて「ブリ」と呼ばれます。

縁起のいいブリは、富山の正月に欠かせないご馳走です。海沿いの地域では、嫁の実家から嫁ぎ先へ、歳暮にブリを丸ごと1本贈る風習が今も残っています。また射水市の加茂神社で毎年正月に行われる“鰤分け神事”は、日本で唯一、平安時代からの古式を伝え続けています。

冬の食卓の定番として、ハレの日のご馳走として。そして人と人を、また人と神を結ぶ恵みとして。ブリの味わいは富山の人の、心身に深くしみわたっています。

ブリ

1本すべて味わい尽くすブリ料理

捨てるところがなく、さまざまな料理で味わえる富山のブリ。まずは、やはり刺身で味わいたいものです。腹身が薄く切ってあるのは、脂が豊富だから。舌にのせればとろけるコクを堪能できます。ブリしゃぶは新鮮な身を湯にさっとくぐらせ、ほどよく脂が落ちた半生もまた美味です。塩焼きや照り焼きなどは、ナマとはひと味違うブリの魅力を香ばしく味わえます。

冬の定番料理となっているブリ大根は、富山の郷土料理です。脂がのったあらと旬の大根を、しょうゆなどで煮こみます。箸で触れるとほろりとほぐれ、ブリと大根、互いにしみ込んだ旨味が湯気とともにあふれる…その滋味は、冬の越中料理の代表格といえるでしょう。

レシピ紹介!ブリ大根レシピ紹介!ブリ大根

材料4人分

大根1/2本
ブリの頭とカマ4切れ
ネギ適量
生姜薄切り適量
適量
900cc
米のとぎ汁適量
砂糖大さじ2
180cc
みりん大さじ2
しょうゆ大さじ2
ブリ大根
  1. (1)大根を約3cmの輪切りにし、米のとぎ汁で約30分、下ゆでする。
  2. (2)ブリの頭とカマに分け、軽く塩をふって15分置く。熱湯をかけて水できれいに洗う。
  3. (3)鍋に大根とブリを入れ、かぶるくらいの水を入れ強火にかけ、あくを取る。
  4. (4)生姜、砂糖、酒、みりん、しょうゆを加え落し蓋をして、中火にかける。
  5. (5)味を調え、白髪ねぎをのせる。お好みでゆでたほうれん草などを添える。

ページトップ