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ホタルイカ料理(富山湾産ホタルイカ)ホタルイカ料理(富山湾産ホタルイカ)

ふくよかさが違う富山湾のホタルイカ

早春の富山湾。まるで天から星々が降ったように、夜の波間に無数の青い光がまたたきます。“富山湾の神秘”と呼ばれるホタルイカです。その生態はいまだ謎につつまれていますが、寿命は1年、回遊性で、普段は水深200〜600mの深海にすむといわれます。毎年3月から6月上旬にかけて、産卵のために深海から浮上してくるのです。

山陰沖や兵庫、若狭湾でも底曳網で漁が行われていますが、漁港近くの漁場で、定置網で獲るのは富山湾だけ。とくに常願寺川(じょうがんじがわ)河口から魚津市(うおづし)に至る約15kmの海岸線・沖合1.3kmの海域は「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。

富山湾は大陸棚が狭く、「藍がめ」(※シロエビ参照)と呼ばれる海底谷が海岸近くまで迫っています。それゆえ定置網を仕掛けた漁場までは15〜20分程度の距離。この近さが、抜群の鮮度の理由です。また産卵期のものを獲る富山湾のホタルイカは、卵巣が成熟してふっくら丸いのが特徴です。ワタにも脂がのって、小さな体には旨味が凝縮されています。

ホタルイカ

富山に春を告げる、神秘の光

小さな体に大小数多くの発光器を持つホタルイカ。敵を威嚇するため、また自身の影を消して敵をあざむくために発光するともいわれます。定置網を引き上げる際にいっせいに発光する光景は、まさにホタルの乱舞そのもの。網が絞られると、漁師たちは小さなタモで、きらめく光の群れをていねいにすくいあげます。この幻想的な春の富山湾の風物詩を観光船から間近に見る「ホタルイカ海上観光」も人気を集めています。

また新月の晴れた夜には、波打ち際までホタルイカの大群が押し寄せます。他の魚から逃げてくる、新月で方向を見失う、あるいは産卵で体が弱り流れ着くなどともいわれます。波に打たれやがて命尽きることから、地元では"ホタルイカの身投げ"と呼びます。小さな命の最期の光が、帯となって浜辺を縁どる…それは美しくも、どこか切ない光景です。

神秘の光、ホタルイカ

桜色の身に満ちた美味を楽しむ

ホタルイカ料理は、富山に春の訪れを告げる味。さっとボイルしたホタルイカは、ゆであがりの色から“桜煮”(さくらに)と呼ばれ、酢みそとの相性が抜群です。甘酸っぱい辛子味噌がホタルイカの旨味を引き立てます。漁師が船上で獲ったばかりのホタルイカをしょうゆ漬けにしたものが、郷土料理として浸透したのが沖漬け。かむほどに旨味と甘みが口に広がり、酒の肴に、熱々のごはんにも合う珍味です。

新鮮なホタルイカを昆布のだし汁にくぐらせて食べるしゃぶしゃぶは、プリプリ感が絶妙。また朝どれのものでしか味わえないのが刺身です。特にホタルイカの足の刺身「竜宮そうめん」は逸品。コリコリとした食感も楽しい、贅沢な味わいです。

レシピ紹介!ホタルイカの辛子酢味噌レシピ紹介!ホタルイカの辛子酢味噌

材料4人分

ホタルイカ20杯
わけぎ適量
味噌40g
砂糖大さじ1
辛子小さじ1
大さじ1.5
だし汁少々
ホタルイカの辛子酢味噌
  1. (1)ホタルイカは熱湯で3分程度、塩ゆでし、目玉と筋(軟骨)を取る。
  2. (2)わけぎは熱湯でさっとくぐらせ、3cmほどの長さに切る。
  3. (3)味噌、砂糖、辛子、酢、だし汁を合わせ、皿にならべたホタルイカとわけぎにかける。

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