越中料理物語越中料理物語

昆布料理昆布料理

日本で最も昆布を食べる富山の人々

昆布は越中料理に欠かせない存在です。国内の主産地は北海道や東北ですが、一世帯あたり消費量をみると、富山は全国平均の3倍近く、断トツの日本一です。(総務省・家計調査 平成18〜20年平均) 産地から遠く離れた富山でこんなにも愛される昆布。その背景には、富山と北海道の歴史的なつながりがあります。

富山に昆布をもたらしたのは、江戸時代後半から明治時代に、北海道と大阪を結んで日本海を往来した北前船でした。北前船は、北海道から昆布やニシン、魚肥などを寄港地に、本州から米や織物、菜種などを北海道に運んで交易を行っていました。

昆布が運ばれたことから航路は“昆布ロード”とも呼ばれ、大阪から九州・薩摩、琉球へも伸びていました。薩摩藩は越中の売薬商人から仕入れた昆布によって藩の財政を再建したといわれます。昆布ロードは、はるか中国大陸へも続いていたのです。

富山湾

さまざまな歴史を重ね食卓に根づく

富山では県東部の岩瀬(いわせ)、西部の伏木(ふしき)などが北前船の寄港地で、さまざまな物資とともに大量の昆布が荷揚げされました。富山は浄土真宗の信仰が厚く、昆布は精進料理のダシに欠かせないものとして広く浸透していったようです。

また明治時代には県東部の漁民を中心に北海道への出稼ぎや移民が活発になり、越中出身者が羅臼や利尻などの昆布産地を開拓していきました。彼らが折にふれ地元の家族や親戚に昆布を送ったこと、また正月に帰省する際には昆布を土産として持ち帰り、故郷の家族と昆布料理を囲んだことなどもあり、昆布は富山に根づいていったと思われます。

今や富山では、昆布は毎日の食卓にあって当たり前のもの。ダシ昆布はじめ、煮昆布、おぼろ、とろろ、おやつ用、おつまみ用など、ひとつの家庭に何種類もの昆布が常備されているのがごく普通のことです。

昆布〆

富山で独自に広がる昆布料理いろいろ

富山では、昆布そのものを食べる料理が多彩です。たとえば、おにぎりは、とろろ昆布をまぶしたものが定番。のりとはひと味違う潮の香りは、多くの県民に親しまれ好まれています。

昆布巻きは、ニシンやサケ、タラコなどを芯にして、文字通り昆布でぐるぐると巻き、昆布がとろけそうに柔らかくなるまで甘辛く煮込みます。富山独特の巻きかまぼこにも、昆布を使った昆布巻きかまぼこがあります。最近では昆布入りのパンやクッキー、和菓子なども登場して幅広い世代に人気です。

昆布〆は元来、刺身を日持ちさせるための保存食でした。今では、しめる素材を問わず、昆布の旨味がしみて生まれるおいしさが評判となり、富山湾のサス(カジキマグロ)やフクラギ(※ブリ参照)、イカなど魚介をはじめ、山菜や牛肉などバラエティ豊かな昆布じめが工夫され、富山の昆布料理に新たな味が広がり続けています。

レシピ紹介!サスの昆布〆レシピ紹介!サスの昆布〆

材料

サス(カジキマグロ)の刺身適量
幅の広い昆布(真昆布など)刺身が並ぶ大きさ
きざみ生姜少々(お好みで)
酢または酒少々
サスの昆布〆
  1. (1)酢または酒をしみこませたガーゼなどで昆布の表面を拭く。
  2. (2)昆布に一口大のサスの刺身を並べる。(お好みできざみ生姜をまんべんなくのせる)
  3. (3)昆布を乗せ、同じように2重、3重に重ねて冷蔵庫でねかせる。

ページトップ